民泊についての記事があり、民泊需要が高まっていることを数字で知る機会がありました。訪日外国人へのアンケートで、8人のうち1人が「有償での住宅宿泊」、すなわち「お金を払って住宅に宿泊した」と書いてありました。私自身、民泊の取材・編集がジワジワ増えてるなと、「民泊」需要が増えているのも少しだけ肌で感じていました。
「今日から我が家は民泊します!」と個人事業をいきなり始めても問題ないのかなとずっと疑問でした。私が民泊経営者を初めて取材したのは、今から15年くらい前だったと思います。子育てを終えた60歳くらいのご夫婦がほとんどで、ほのぼの無理なく経営している感じでした。「簡単に宿泊事業を始めているけれど許可いらないのですか?」。そんな現場の空気が寒くなってしまう質問を繰り返しながら取材してしまったのを思い出します。明確な答えは編集者からもなく「いいから原稿早く納品」と。ほどなくして「グリーンツーリズム」と言う言葉を聞くようになり、「民泊」「農家民宿」という言葉が流行のように聞かれるようになりました。
補助金が投下されて、民泊のページ物や特集を作る機会が多くなって来た中で、それらの民宿が合法で経営されていたのか否かまで調べて取材している編集責任者は希有だったのではなかったかと思います。
そして、ネットカフェは泊まることを目的としていないので、風俗営業法が縛りです。ホテルや旅館は旅館業法で規定されています。ネカフェに泊まることは合法なのか?という疑問もありました。「ネカフェ難民」という言葉も出てきていますが、調べてみると、ネカフェで泊まることを規定する法律がないので合法でも違法でもないというグレーゾーンという意見が多くありました。だから泊まる人もいます。
昨年、住宅宿泊事業法が国会で成立。観光庁のホームページに詳細が載っていました。6月から施行されるということです。いよいよ、民泊が法の下の平等でスタートしました。トラブルも多いからこそ法ができたのだと思います。
グレーゾーンだった民泊が法規制され、どう淘汰されていくのか見ていきたいと思います。
ここ5年くらい、ルールや法律が重要視されて、団体や業界が整備されているのを感じます。人間関係や情や古き良き…ということより、ルールや法が最強という時代になりそうです。
流れに逆らわず、見誤らず、改めて、一つ一つのお仕事を大事に、その業界のことを勉強して邁進したいと思います。